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単騎独考

私は錆びた鉈のように鈍く生き、よく使い切った歯磨き粉のチューブのように死にたい。

独善

英語字幕作りも随分慣れてきた気がする。

 

やっと275行目辺りだ。

 

経験曲線を登り始めた。

 

昨日まで案内した恩人の親友のユダヤ人の夫妻はフランクルの「夜と霧」をしきりと引用していた。

 

一昨年、英語で読見直したのだが、英題「Men's search for meaning」を忘れて「Night and Fog」と言うと、「それはエリ・ビゼル」と訂正された。

 

日本語の題がどうしてそうなったのかはわからないが、恐らく「夜と霧法」からとったのではないかと推測する。

 

ビゼルはホロコーストの経験「夜」を書いた作家である。

 

ビゼルを読むきっかけは「Mémoires à deux voix」(『大統領の深淵』、直訳では二つの声の記憶)を本屋で手にして読んだからだ。フランソワミッテランとの対談であった。

 

この本の書き出しは「サリンとおはぎ」で引用したように思う。

 

この本も、また、原題と大きく異なる邦題が与えられている。

 

南禅寺を歩いた初日、夫妻とアンナハーレントの話をした。

 

  • 権力は人びとの承認を得て成立するもの。権力が必要とするのは正当性。
  • 暴力は権力が危うくなると現れてくる。
  • 最も急進的な革命家も、ひとたび革命が起こるや、たちまち保守主義者に化けてしまう。
  • 嫌いな人の真実よりも、好きな人の嘘がいい。
  • 悪は悪人が作り出すのではなく、思考停止の凡人が作る。

 

この引用が彼女をよく物語る。

 

最近、感じるのは、独善ほど恐ろしいものはないということだ。